対症療法(symptomatic therapy)姑息的療法

疾病の原因に対してではなく、主要な症状を軽減するための治療を行い、自然治癒力を高め、かつ治癒を促進する療法。

例) 胃もたれに対する胃腸薬、発熱に対する解熱剤、頭や喉の痛みに鎮痛剤、そのほか咳止め、点鼻薬、アトピー治療薬など

何らかの痛みを訴える患者に対し、薬やレーザーや麻酔で、神経系を抑制したり遮断することで、痛みを抑える治療法は、全て対症療法。アトピー性皮膚炎は免疫の異常が根本原因だが、原因療法は未だ確立されておらず、ステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬で皮膚の炎症を抑える対症療法が行われる。湿疹→痒み→掻きむしり→湿疹という悪循環を断ち、痒み症状を抑えることができるので部分的には原因療法にもなっている。

原因療法、根本的治療

症状や疾患の原因を取り除く治療法で、対症療法と対置される。最終的に症状を取り除くには、対症療法や自然治癒力の助けが必要である。

例)インフルエンザやがん、胃潰瘍の治療

・感染症に対する抗生物質、抗真菌薬、抗ウイルス薬の投与。インフルエンザの場合、原因療法としてはオセルタミビルなどの抗ウイルス薬が投与される。場合によっては、体力の消耗を抑え合併症を防ぐため、解熱薬の投与や輸液などの対症療法が行われる。
・がんに対する外科的治療(姑息手術を除く)、化学療法、放射線療法など。
・消化性潰瘍 (胃潰瘍、十二指腸潰瘍)。原因は様々であるが、ヘリコバクター・ピロリが感染している場合は、その除菌が最大の原因療法となる。これと併せて、胃酸分泌抑制薬や胃粘膜保護薬の投与が行われるが、これらは原因療法とも対症療法とも解釈できる。

●病状の表現

寛解:症状が落ち着いて安定した状態。